奇想曲的パクシフ作品楽賞録

パクシフさんをメインに、ときどき他の海外ドラマについても語ります

殺人の告白「J」役チョン・へギュンさん~ヒロインの父親役でも活躍中

映画『殺人の告白』のJ役で強烈な印象を残したチョン・へギュンさん。

あのJ役のお方はどんな作品に出ているのかなあと見てみたら、驚きの連続です。
これは是非とも紹介せねば!という映画もあるのですが、今日はドラマ編を。かわいい女優さんの父親役が多くて驚きました。



チョン・へギュンさんの出演作リストは改めて書こうかなと思ってはいますが、プロフィールを簡単に書いておきます。

チョン・へギュン정해균氏は1968年生まれ。劇団「旅行座」所属の舞台俳優さんです。

殺人の告白の前にも何本か映画に出演されていますが、大衆にその顔を知らしめたのは殺人の告白のJ役。その後映画、さらにはドラマへと活躍の場を広げていらっしゃいます。


ドラマでは最近はヒロインの父親役も多いですね。失礼ながら、ちょっと衝撃でした^_^

これから取り上げる4作品(2本は日本放送前)はどれも未視聴なので感想を書けないのが残念。ドラマ自体への興味はあまり湧かないのですが…



それでは参ります。ヒロイントップバッターは、

パク・シネ박신혜さん。
『ドクターズ~恋する気持ち』のヒロイン、ユ・へジョンの父親ユ・ミノを演じたのがチョン・へギュンさんです。

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ユ・へジョンの父親ユ・ミノは、公式サイトの人物紹介を見ると悪い父親。人物設定を要約すると、

鋭敏で自尊心が強く、誰をも支配しようとする属性がある。自分の支配にならないと腹が立つ。へジョンの生母も気の強い性格のため、夫婦はいつも衝突し結局妻は自殺。そのことで娘に負い目があり、その負い目のために娘により冷たく接する。

〜という人物像^_^;
へジョン生母自殺後は、愛人と再婚。へジョンは田舎の祖母宅に送られることに。

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荷物とお金を投げ捨て、
「これでお前と俺は終わりだ。もう会いに来るな」と捨て台詞を吐く父親の図(韓国記事より)
http://minterfootball.heraldcorp.com/news/articleView.html?idxno=121574#_enliple

へジョンが13年前の高校生時代のシーンなので、父親も若くなっていますわ^ ^ Jの面影もあるかな。



へジョンの祖母役は、キム・ヨンエさん。

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キム・ヨンエさんといえば、『殺人の告白』で連続殺人犯に娘を殺された母親役でした。法ではなく自分の手で犯人を裁くことに執念を燃やす遺族役、見応えありましたよね。連続殺人犯の名前は「J」、誰あろうチョン・へギュン氏!!



最終話での父と娘
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父親との関係にどうケリをつけるのか。もっとコリアさんのネタバレを読んで分かってしまった。お父さんの弁明、オチはそれですか?と思いましたが。
http://mottokorea.com/mottoKoreaW/FunJoy_list.do?bbsBasketType=R&seq=41259

もっとコリアで訳されている父娘の会話シーン、動画は下記のSBS公式で見られます。
program.sbs.co.kr




さて、続いてのヒロインは
キム・ユジョンさん。
『雲が描いた月明かり』のヒロイン・ラオンの父親役がチョン・へギュンさんです。


え~~
殺人の告白の「J」が、シネちゃんにユジョンちゃんの父親‼️

ヒロインの父親役というだけで驚いてしまう。
ってチョン・へギュンさんにたいへん失礼ですが…

でも、なにせ「あの」J役ですから〜

ただの連続殺人犯でなく、韓国記事では「変態」という表現も踊る殺人犯J。まあ、今でも強烈な印象が残っているくらい、チョン・へギュンさんのJ役演技が素晴らしかったということなので、チョン・へギュンさん許してね。


『雲が描いた月明かり』でのチョン・へギュンさんの役は実在の人物、洪景来(홍경래 ホン・ギョンネ)がモデル。1811(純祖11)年に起きた「洪景来の乱」は、民乱と呼ばれる大規模な農民蜂起の最初のものという位置づけです。


朝鮮後期の農民蜂起の図
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1811年に平安道で洪景来の乱が、1862年に壬戌農民蜂起が、地図にはないが1894年に甲午農民戦争(東学党の乱)が発生。

地図中、緑字の3つの農民蜂起が壬戌農民蜂起(壬戌民乱とも)で大規模なもの。そのほか紫三角旗印が壬戌民乱発生地で、三政の乱れが激しかった忠清・全羅・慶尚道で集中的に起きています。


洪景来の乱が起きたのは朝鮮北西部。この地図では平安道が小さ過ぎですね。洪景来の乱発生地域の拡大図もどうぞ。

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元地図は二つとも、下記の天才学習百科から。ポイント部分に日本語をつけています。
http://koc.chunjae.co.kr/Dic/dicDetail.do?idx=36710


洪景来は平安道の、没落両班説と平民説があります。当時の平安道は商品貨幣経済が最も発達した地域。清との貿易や金銀の鉱山開発、絹織物業などの手工業、タバコや高麗人参などの商品作物の栽培などで富を蓄積した新興勢力が出現する一方、小農民の没落も加速。

経済的先進地ではあるが、差別や制限を受ける地域でもあった平安道平安道出身者は科挙に合格しても高い官職に就けない。/国境に位置するため使臣接待費の負担、加えて政府の財政悪化の名目でさらに税負担が重くなった。/貿易や鉱山開発の制限、など平安道の各階層で不満が高まっていた。


このような状況下洪景来は同志を集め、鉱山開発の名分のもと富裕層の資金で、鉱山労働者や貧農,流民を集め軍事訓練を施し反乱軍を組織。1811年(純祖11年)12月、平安道差別と、勢道政治(戚臣 チョクシンや寵臣が政権を独占する政治)打倒を掲げて蜂起した。

当初は順調で、一時は清川江以北を勢力下におさめた(地図オレンジ色部分が反乱軍占領地域)。しかし次第に官軍に押され1812年4月、籠城していた定州城(チョンジュソン)が陥落、洪景来は銃で撃たれて死亡。


洪景来不死説
史実では1812年に定州城で死亡したと記録されている洪景来ですが、ドラマでは生きのびていたという設定。ドラマオリジナルのトンデモ説、ということではなく、当時の民衆の間では定州城で死んだ洪景来は偽者で、本物の洪景来は生きているという「洪景来不死説」が信じられていたそうです。

洪景来不死説を利用した謀反も起きています。
1817(純祖17)年の蔡壽永事件では、蔡壽永(채수영 チェ・スヨン),安有謙(안유겸 アン・ユギョム)らが洪景来とその同志李禧著(이희저 イ・ヒチョ)が生存しており、馬島に潜入したと民心を煽動。1827(純祖27)年の清州牧掛書事件では、金致奎(김치규キム・チギュ),李昌坤(이창곤 イ・チャンゴン)らが、洪景来が生きていて済州島で軍勢を集めているなどと流布した。

掛書(괘서 クェソ):支配層の専制・収奪を暴露したり是正の要求、党派間の誹謗などを壁や門に貼ったり、竿に掛けて掲示したもの。壁書(벽서 ピョクソ)ともいう。




「洪景来が生きているぞ!再び反乱を起こすぞ〜!」と流布するということは、それだけ洪景来が社会変革のシンボルとして、民衆に信仰されていたということなのでしょう。政権を揺さぶる効果もあるし。


個人的には、洪景来の乱には大きな矛盾を感じるんですけどね。乱を支援した新興富裕層の目的は、既得権益者を打破した後に自分がその座に取って代わることであって、貧民を搾取してもっと豊かになろう!という者もいたはずだから。

実際、洪景来の乱は下層階級にとって切実な問題である、土地制度改革や身分制度廃止などにについて改革措置をとっておらず、それが反乱の失敗した最大の要因と指摘されています。結局、下層階級の声を代弁していなかったということです。

そのような限界はあるにせよ、この反乱によって、下層の農民層でもただ為政者に従うのではなく、支配体制を否定できるのだという「政治的覚醒」をもたらした、というのが洪景来の乱の評価です。


主な参照元 上から:
韓国民族文化大百科事典
私たちの歴史ネット
http://encykorea.aks.ac.kr/Contents/Index

http://contents.history.go.kr/front/nh/view.do?levelId=nh_036_0040_0010_0030_0030&whereStr=%40where+%7B+IDX_TITLE%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C100000%7C0%29+or+IDX_CONTENT%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C100%7C0%29+or+IDX_ALL%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C1%7C0%29+%7D

http://contents.history.go.kr/front/nh/view.do?levelId=nh_036_0020_0030_0020_0010&whereStr=%40where+%7B+IDX_TITLE%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C100000%7C0%29+or+IDX_CONTENT%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C100%7C0%29+or+IDX_ALL%28HASALL%7C%27홍경래+不死%27%7C1%7C0%29+%7D




さてさて、おそらくは洪景来不死説からインスピレーションを受けての、ホン・ギョンネが死んでいなかったという設定の『雲が描いた月明かり』。お待たせしました、チョン・へギュン版ホン・ギョンネはこんな感じです。


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10年前に死んだものと思っていた夫が現れて驚愕の表情を見せる妻(キム・ヨジン扮)。チョン・へギュンさんカッコいい!


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捕縛されるホン・ギョンネ


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ホン・ギョンネ生存の報告を受けて驚く王(キム・スンス扮)。モデルは朝鮮王朝第23代王・純祖(スンジョ)


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獄舎でホン・ギョンネと対面する世子。モデルは純祖の息子・孝明(ヒョミョン)世子。ドラマイ・サンで有名になった正祖(チョンジョ)の孫になるのね。

史実の孝明世子は、1809年生まれ。1819年に豊壌趙氏(プンヤン チョ氏)、後の神貞王后(シンジョンワンフ)と嘉礼を挙げ、1827年から代理聴政を始めるものの1830年に死去。享年22歳(数え年)。
1834年に純祖が崩じると、孝明世子と豊壌趙氏の子憲宗(ホンジョン)が数え8歳で即位、というのが史実ですが、ドラマはどうなっているのかしら??



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チョン・へギュンさん、韓ドラお約束の拷問に?しかも世子の思い人が「逆賊」ホン・ギョンネの娘ということで大混乱の16話〜!!
全18話で残り2話、結末や如何に?






ドラマの結末はまったく知らないのですが、原作のウェブ小説の挿絵を見て「えっっ!」と思ったことを最後に。


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これは『雲が描いた月明かり』がドラマ化される(た)〜という記事でよく使われる絵。ドラマの原作はユン・イス윤이수氏の同名ウェブ小説。ネイバーウェブ小説で131回にわたって連載され、その後紙の本全5巻で出版されています。

実は上のイラストを見て、ウェブ小説がさらに漫画化されたのかと勘違いしていました^ ^

そうではなく、ネイバーウェブ小説の正式連載コーナー掲載作品は、イラストレーターをつけて「テキストの視覚化」に力を入れているんですって。

上の絵はサムネイル画像に使われる、いわば表紙絵。表紙絵だけでなく、本文中に毎回違ったイラストが載っています。雲が描いた月明かりは既に完結した作品なので、現在無料で読めるのは7話目まで。でも挿絵だけは見られるので眺めていたら、「これは何ですの〜!」的なイラストが目に入ってきました。




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112話「징조」兆し より
ええーっっ


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115話「혹시 나, 꿈꾸는 거야?」もしや私、夢を見ているの? より
あら、サッドエンディング?

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116話「괜찮다, 괜찮다」大丈夫、大丈夫 より
あら、まあ〜〜

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117話「라온에게만 허락된 말」ラオンにだけ許した言葉 より
あれ、まあ〜


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127話「달의 나라 (下)」月の国(下) より
ホンマに??


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129話「특별한 비밀 (下))」特別な秘密(下) より
ええーーっっつ




これまで原作もドラマも結末を知らなくていいやと思っていたのですが、下から2番目のイラストが気になって〜
逆賊の娘とそんなんありかいな、と思って結末を検索してみました。

下記スポーツQ記事によると、原作では、イ・ヨンは王世子の地位を捨て、双子を産んだラオンと暮らす〜という結末とのこと。ドラマの方はイ・ヨンが王位に就く結末で、史実完全無視ですな。 原作の結末はそれよりは妥当な線ですね。


【ビューポイント】雲が描いた月明かりが「チェ・スンシルゲート」の中再び光を放つ理由...孝明世子(パク・ポゴム)と洪景来家中(チョン・へギュン キム・ユジョン)の反転結末が与えた長い余韻と教訓
スポーツQ 2016.11.03

m.sportsq.co.kr



雲が描いた月明りのウェブ小説版はこちらから
m.novel.naver.com
リンク先は、雲が描いた月明かりのトップページです。トップページ左上の表紙絵部分、「挿絵全体を見る」を押すとイラストページに移動します。



長くなったので今日はここまでです。
チョン・へギュンさんが父親役の他のドラマ、週末から始まったOCNの『助けて』ともう一本は次回の予定です。